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愛知県「小笠原味醂」編

2021.01.04

★さしすせそ生産者訪問記★
愛知県「小笠原味醂」編

仕込み初めは三月一日からと代々決まっている

学生時代は京都で過ごし、ブイブイ言わせていた

訳ではないだろうが、縁あって味醂造りを受け継いだ当代 小笠原和哉さんにお話を伺った

 

愛知県碧南市にある小笠原味醂さん 小笠原さんはまっすぐで明快な物言いが心地よい方

 

フジマルセレクション基本の調味料”み”は、本来さしすせそには含まれないが、どうしても外せない調味料そして食材としてオンリストしている

 

 

話を戻して仕込みについて

仕込み3月

絞りは5月

落ち着くのは7月頃

通年仕込みする蔵もある中、小笠原味醂では年一回の春仕込みのみ

理由は色々あるが、小笠原さん曰く

「60過ぎたじじばば2人はタンク6本が精一杯

できれば減らしたいけどなんとか続けていけるかぎり造り続けたい

 

 

小笠原味醂は

麹づくりは手作業で

全て国産米100%

加熱処理無しの生詰め

書くのは簡単だけれど、そこには猛烈に徹底された衛生管理と仕込みの丹念さがある

この蔵には基本的に小笠原ご夫妻、弟子がお一人、そして学生さんのお手伝いが数人

「まず学生さんに教える事は手洗いなんです」と小笠原さん

ひとの口に入る食品を作るとはどういう事なのか

それを常に考えなくてはいけない

だから、

「今ハッピーバースデーを2回歌うくらいの長さで手洗いする話題があるでしょ?うちは肘まで洗うから3回かな、ハッピーバースデーは歌わないけど(笑)」

実際に仕込みを終え、次の季節を待つ蔵の中は埃一つない清潔整然とした場所だった

 

 

室の入り口。来春の仕込みませ清潔に保たれその時を待つ。

 

麹づくりは手作業で

その言葉通り手で測り手で造られる

誰にでもわかる数値も大事だが

品温だけではわからないこともある

元気のある36℃と元気のない36℃がある

 

室(ムロ:麹を育てる部屋)をあけてむわっと 熱く感じるがこれは機械だとわからない

「人間の体感がすべて、入ってみにゃわからん」

そんな生き物だから

不眠不休48時間はつきっきりで育てる(最近は経験値を元に少し寝れるようになったそうです)

当時はよくそんな作業もしていたなって言うこともあったりするそうで、麹の冷まし方や櫂の入れ方や回数全ての工程一つ一つに経験の裏打ちがあり今に至っている

 

 

原材料は100%国産米、出来上がったばかりの味醂仕様の柔らかくしっとりとした麹に国産本格焼酎をベースにしたもろみを仕込み、60〜70日後に圧搾、タンク内で時を重ね程よく寝かせたのち加熱処理をせず瓶詰めされる

 

小笠原さんと10数年前に作られたみりん。色合いこそ増しているが、まだまだ上品で壮健の態。小笠原さん曰く”ちょっとつまらないもっとやんちゃでいいのに”といたずらっ子みたいに話されていた

 

「まだまだですけどね

とにかく普通が一番

こだわってるとか究極だとか自分で言う事ではないですから」

一子相傳については

「自ら三年熟成と謳ったことはないんです」とも

熟成期間を記載する事でお客様に誤解を与えたくないし

賞味期限は書くけれど10年経った味醂でも全然いけるものを作っている

 

 

小笠原味醂は一度口にすると圧倒的な美味しさにファンになる人が多い

だから新規お取引の問い合わせ国内外からひっきりなし

 

 

でも小笠原さんは変えない

 

今自分たちでできるものだけをやろう

売れるから作ろうではなく

作ったから売ろう

仕事量が増えるなら手がいる

そして雑になる

食い物は人様の口にはいるもの

お金を出して買っていただくのがおろそかになるのはダメなんだ

 

 

年齢を重ね元気になっていくわけでない今

イテテと言いながら仕事やる

決して仕事は好きではない

自分たちに見合った数を

やらないかんことはやる

怠けて手を抜くではなく普通にやる

 

 

だからこだわるって言葉はきらいとも言い切る

そんな小笠原さんの座右の銘は『常に普通』

いつも通りを当たり前に積み重ね続けていくことはとても難しい事だと思う

どんな質問にもまっすぐに明確に熱量を持って話す小笠原さんが作る「普通」にやった積み重ねの味

だからこそ言いたい

この味醂、唯一無二です

 

by、YUKI KIMURA

 

火入れしないで瓶詰めする味醂は酒で言う生々

麹が発酵要素であり

もろみは発酵させていない 

ただ酵素は生き続けている

人間の舌メーターではわからないけれど瓶の中で旨味は増していく小笠原味醂の一子相傳

FUJIMARUセレクト/小笠原味醂醸造 一子相傳 600ml(愛知・小笠原味醂醸造)

フジマルセレクション基本の調味料”み”

小笠原味醂一子相傳のご紹介はこちらから

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