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2014.03.23

ラシーヌ主催 イタリアワイン勉強会第6回 南イタリア編

「手頃でおいしいワインの安定供給地」と、安易に判で押されてしまうことが多い、
南イタリアのワインたち。しかしこのところ栽培・醸造技術の向上や人的交流、
哲学をもった造り手の登場などもあり、ずいぶんとヴァラエティ豊かなワイン産地として
認識されるようになってきました。

そこで、第6回目のイタリアワイン勉強会を通じて、
アブルッツォ、プーリア、カンパーニャから、土地の個性と造り手の哲学を反映したワインを
テイスティングしながら、新しい「南イタリアワイン像」に迫ってみました。

まずはアブルッツォのチレッリから。
ステンレスタンクを用いた通常のトレッビアーノ・ダブルッツォは、
爽やかな柑橘系の香味にあふれ、クリスピーで冷涼感のある口当たり。

一方のアンフォラで熟成させたトレッビアーノは、花の蜜のような甘美な香りを纏い、
奥深くしっとりとした仕上がりに。これは決してアンフォラのニュアンスをワインに
付与するためではなく、適度な空気との接触を促すためには樽よりもベストだった、
という判断に基づくもの。

この二つには明確な違いがありましたが、いい環境の畑でピュアに育てられたブドウだけが
もつ溌剌さ、活き活きとした質感みたいなのは共通していたように思います。

そして、プーリアからはファタローネ。
プリミティーボを用いたロゼワインと赤ワイン。
プリミティーボというと黒々とした濃さで甘い香りのものを想像してしまいがちですが、
こちらのワインは適度に淡く、明るい色調のものでした。

北イタリアの、あの真っ直ぐ立ちのぼってくるような酸とは違いますが、
南のワインなのに明確に感じられる比較的柔らかい酸。
聞くとファタローネ農園は標高365mの丘陵地に位置し、
風通しと日当たりが良好とのこと。

色合いは淡くインパクトこそ穏やかですが、口中でのエキス感の広がりは
さすがに南イタリア。まだ2005年ヴィンテージというジョイア・デル・コッレ・リゼルヴァですが、
とてもアルコール度数15度とはおもえない、優雅で伸びやかな余韻が印象的。

カンパーニャに入ってサルヴァトーレ・モレッティエーリへ。
2009年のイルピーニア・アリアニコ、2007年のタウラージともにまだまだ硬い表情でしたが、
そこに詰め込まれたいろんな要素は将来の可能性を感じさせるのに十分でした。
「カンパーニャのワインは熟成させてこそ真価を発揮する」
なるほどなあと思った次第です。

おもに砂地の畑から土着品種を用いてワインを造るナンニ・コペ。
スパイシーでしっかりとしたコクを感じさせながらも、どこかエレガントさを
感じるまとまりのある赤ワイン。

そして最後に真打ち登場。アブルッツォからヴァレンティーニのワインです。
ほんのりガスを含みジューシーな味わいのチェラスオーロ(ロゼ)は、
最初こそ少し還元臭が気になりましたが、10分ほど経過してからは
その爛漫な魅力を開花させます。

トレッビアーノの2011年も、最初は少し難しいワインでした。
なかなか香りがあがって来なくて、味わいもややもたつく印象。
しかし時間の経過とともに、徐々にほぐれてきたのか、最後はハチミツやナッツの香り
を含んだ人懐っこいワインへと変貌していたのです。

圧巻だったのはトレッビアーノ2007年。フルーツやそれ以外のいろんな要素が
複雑に交差し合い、無駄なところがなく、グラスのなかできれいに調和していました。
口に含んでみても尖ったところがなく、深い内面性を持ち合わせていて、
ただ“美味しい”という感情を超越した、心に響く味わいでした。

南イタリア=安くておいしいワインの安定供給地?
もちろんそういった需要に応えるワインもありますが、
それだけではなく、唯一無比の個性をまとったワインも
たくさんあることが分かりました。


その土地その土地に、それぞれの郷土料理があるといわれるイタリア。
ワインもしかりで、大ざっぱにくくれないところがあるイタリア。
それを学ぶには少々骨がおれることもありますが、
だからこそ面白いし、個性的なワインに出会えたときの喜びもひとしおです。

畑の土壌や標高の高さ、そして造り手の哲学によりいろんな表情を見せてくれた
南イタリアのワイン。まだまだ奥深いその魅力に触れるための、ようやく端緒に
つけたのかもしれません。

さて次回はいよいよ最終回、AVN(フランスのヴァン・ナチュレルの団体の略称)の
基準を満たすワインです。終了後にはレポートいたしますので、どうぞお楽しみに!

Dai Aramaki

 


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