北海道ワイン | FUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユ

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2010.12.23

北海道ワイン

パピーユ・ジャポネーズのブログでは
すでに九州ワイナリーの記事をアップしているのですが
実はその前日まで北海道を訪問していました。

本来なら国産ワインの記事なのでジャポネーズのブログでアップするべきなのですが、
この北海道ワインについてはみんなに知って欲しくてこちらに書くことにしました。

ちょっと長くなるので・・・


北海道ワインとの出会いは実はそんなに古くありません。
実際に飲んだのは8月に行われた国産ワインコンクールの公開テイスティング。
300種類ほど試飲をする中でピカイチだったのが北海道ワインの08ケルナー。

数多くテイスティングしていると流石に舌が痺れてきて
「あ~そろそろビール飲みたいなぁ」なんて悪魔がささやいた時でした。

シャキっとした酸とアロマティックな香り、
一瞬で我に返り、ボトルを見ると『北海道ケルナー』と。
担当者の方に値段を確認するとこれまたびっくり。
仕入れ価格と間違うぐらいの安さ。

しかも、原料も100%国産。

ずっと探してた、安くて美味しい国産ワイン。

やっと出会った!と感動したのを今でも覚えています。
その場で訪問することを約束し、この10月中旬に伺うことになりました。

10月と言えば収穫の真っ最中。
本来なら避けるべきなのですが、
担当の方に相談すると収穫のあとも同じ忙しさなのでお構いなく、と。

収穫後も忙しい?と不思議に思ったのですが
それには北海道ならではの理由がありました。

北海道ワインの自社畑(厳密には関連会社)のある『鶴沼』のエリアは
11月下旬ぐらいから雪が降り積ります。
一度積もってしまうと樹は雪の下。そう、剪定が出来なくなるのです。

ただでさえ遅い収穫時期の後、
そのままの勢いで剪定を終わらせねばなりません。

しかも、ここは豪雪地帯。

普通の剪定だけでなく、
雪の重みで樹が折れないようにワイヤーから枝を一本一本外して樹を倒すんです。
樹を倒すって最初に聞いたときはびっくりしたのですが、畑を見て納得。
倒れやすいように最初から樹が斜めに植えられています。

そして、雪解け後、樹をまたワイヤーにくくり付けねばなりません。

こんな大変な手間をしてまでぶどうを作っているのは世界でも北海道ぐらい。

なぜ、ここまでして北海道なのか?

教科書的には、
収穫期の雨が少なく乾燥していること。
昼夜の寒暖の差が激しいこと。
が挙げられるでしょう。

実はそこにもうひとつ加わる『想い』があるのです。

『日本の大地から育ったブドウを使って多くの人に飲んでもらいたい』

北海道ワインは国内のワイナリーで生産量は確か5位か6位。
でもこの数字には輸入ブドウも含まれていて
国産ブドウだけのワイナリーでは1位なんです。

ワインは農産物。
お米などと一緒で農業です。
中国やアメリカのように大規模農業+機械化が実現できると
コストが薄まって低価格で農産物を作ることができます。

日本はいろんな法律や政策のせいで小さな農業者が多く、
ワインの世界でも自社畑を持つことは未だに難しい。
大きな機械を入れて見合うぐらいの規模に広げることが非常に困難なのです。


(鶴沼の畑。日本じゃないみたい)

ただ、鶴沼の辺りはもともとは荒野。
土地も安く、いろんなご縁も重なって広大な土地を取得できました。

そして、2005年にはハーベスターという日本で唯一の大きな収穫機を購入。

(ちょっとガンダムっぽい)

一気に作業の効率化が進みました。

ここで言いたいことが一つ。

機械収穫=悪ではない、ということ。

手収穫の方が人間の目で選別出来てよい部分もあるのですが、
ちゃんと意識のある人間がやらないと実は意味がなかったりします。

季節労働者や学生アルバイトが収穫してると
収穫量に対する歩合だったりするので品質関係なしに収穫したり
外国人労働者が多いと言葉がちゃんと伝わってなくて2番成りを入れてしまうことも。
しかも、時間がかかるので『今だ!』っていうポイントで収穫できなかったりもします。

その点、機械だと手収穫の100倍ぐらい?というか、
ここって決めたら一瞬で終わります。
天気予報が雨でも、雨が降り出してから収穫しても間に合うぐらい。
そう、収穫機は使いようによっては品質を上げることも可能なのです。

しかも、ここはもともと荒野。
人手を集めることは不可能に近いですし。

もちろん機械ならではの荒い部分もありますが、
そこは畑に隣接するプレス工場での速やかな処理などでカバーしています。

この大規模+機械化が低価格の大きな理由のひとつでしょう。

そして、もうひとつ大切な想いがあります。

『北海道農業にとって必要な存在でありたい』

上記の自社畑だけでも本当はやっていけるのかもしれませんが
北海道ワインはずっと二人三脚でやってきた栽培農家さんを非常に大切にしています。

日本が赤ワインブームの時、
実は北海道のぶどう・ワイン産業は大打撃を受けていました。

そう、あのブームは赤ワインしか売れないブームだったのです。

『白ワインが全く売れない。』

その生産量のほとんどが白ブドウである栽培農家さん、
そして、北海道ワインさんも危機的な状況に陥りました。

しかし、創業者でもある嶌村社長は農家さんたちを救うために
売れてないにも関わらず、ぶどうを全量買い取ったのです。
もちろん買い取らないといけない義務なんかはありません。

そのせいで、北海道ワイン自体も本当に危険な時代があったそうですが
栽培農家さんと手を取り合って困難を乗り越えた今は、
逆に絶大な信頼関係ができたことは言うまでもありません。

今では醸造所のある小樽や農家さん名入りシリーズの余市を始め
400件ぐらいの栽培農家さんから原料ぶどうを仕入れています。

HPによると北海道で生産されるぶどうの4分の1は北海道ワインになるそうです。

そして、沢山ワインにしてあげることが農家さんの幸せにもつながるので
コストを抑え低価格で販売することにより、多くの方に飲んでもらおうとしているのです。

価格を抑える理由は別のところにあったことを伺い、
そもそものコンセプトが特殊であることを知ることができました。

もちろん安かろうまずかろうじゃ売れません。
なので、せっかくのブドウを無駄にしないように
試行錯誤しながらも産地や品種の個性を生かしたワインを醸しています。

(ストレートな果実を活かすため、ステンレスタンクが多い)

この辺は味わって頂ければわかってもらえるかと。


(色んなラインナップがあります。取り寄せも可能なのでお問い合わせを)

『安くて旨い』理由はしっかり存在しました。

よく私のお店は小規模なワイナリーしか取り扱わないように言われますが
私のワインを選ぶときのコンセプトは『個性』や『ストーリー』
それは大小の問題ではなくて、『共感』できるかどうか、なんです。

そんなストーリーやワインを醸す人たちに会いたくて
私はこの仕事をしているような気がします。

私は、そんなストーリーに溢れている北海道ワインが大好きです。

P.S.『安い』というキーワードを多用していますが、それだけではありません。
余市から生まれる匠シリーズを始め、ミドル・ハイレンジもかなり優れています。
念のため。

コメント

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いいね!
近所の焼き鳥屋からつぶやく。
へへ。
最近スパム多いよね、エキサイト。

2011年1月3日4:47 午前 |  winenadja


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この時間の近所の焼き鳥屋・・・
危険ですね(笑)

2011年1月5日7:50 午後 |  wine-fujimaru


 


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