造り手への旅路(19)考えることをやめない農家と実りの季節 | FUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユ

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2019.10.26

造り手への旅路(19)考えることをやめない農家と実りの季節

 

福岡県うきは市は福岡県の南部に位置し、大分県日田市と隣接している
温泉や水に恵まれているが、何よりフルーツ王国として名高く、生産者や飲食店、セレクトショップなど元気なお店が増えているとのこと

その中でも特に紹介したい果物農家さんがいると聞き、今回の福岡・大分の旅路が始まった

20種類ほどの桃と大秋柿を育てている農家 赤司直紀さん

 

合流して車を山作業用に乗り換えて小高い畑へと向かう
とても見晴らしの良い畑は今年で五年目
主力の畑はさらに上方にあるが、ここは”好きに使っていい”と地主さんの好意で借り受け、
赤司さんの実験的畑となっている

 

着いて早々、驚いたのはその仕立て方
柿の木って上にまっすぐ伸びる、なんなら梯子が無いと登れないわっさりと生い茂る木を思い浮かべませんか?
赤塚さんが現在試しているのは隣接する木同志を継木する垣根仕立て(!!)でした

 

その畑の景観に、あの柿色の艶が無ければ違う果樹園と間違えたのかと思うほど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

整えられた低木はあえて木の勢いを弱め、枝が伸びた強くなる力を実の栄養へと渡す

昔は柿一個に葉っぱ15枚必要と言われていたがこれも気にせず、葉っぱの数よりも実の居心地の良さを優先した
ヘタも葉っぱであり、このヘタもよく光合成するため、ヘタへもたくさん陽を当ててあげる

 

葉脈まで美しく活き活きとしている

 

垣根仕立てにすることで木を縮め、風通しも良くしてカビを防ぐことにも役立っている
無農薬は目指していない
春先にしっかり手入れして、最低限の使用にとどめ、常に農薬をかけ続けることをしない
無農薬という選択よりも、カビやダニなどのアレルギー要素を残したくないという思いからだ

 

大秋柿は色がつきすぎると甘さが薄れて味がぼやける、シャキシャキが信条
だから収穫時も皮がうっすらと青みがかっているものとなる
その後味はすっきりさっぱり、そしてジューシー

柿にも雄花と雌花がある 写真は雄花のもの 雄花は小さい実しかつかず種もないため摘心されてしまう、普段は柿農家しか口にできない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「感覚ではなく理論立てて剪定と手入れする、そして後は成ってもらうだけ
自分で考える、人任せではなくなんでも試さないと気が済まない
自分で試して落とし込んでって納得できるようなやり方を毎日毎年やっていかないと身にはならない
とにかく剪定の技術と管理です」

何故、垣根仕立てを始めたのか聞いてみた赤司さんはきっぱりと言い切った

 

出荷待ちの柿 

 

 

フルーツ王国という土地名に甘えないことを自らに課し、本当にいいものを届けようとする姿勢
フランスで農業をされている方が言っていたことがある
”こだわり”っていいますが、本来は心がとらわれて、自由に考えることができなることなんです。だからぼくはこだわりません。”
とすると、赤司さんはこだわりすぎて気にしなくてもいいようなこと(と思われてきたこと)を試し続け、視点を変えるに至りやがて新しい農業の形を作るのではないか
農家の高齢化と気象の変動を受けてもなお作り続け、よい収穫ができる畑づくり
考えることをやめない農家 赤司さんの柿は本当に美味しく明るい味だった

そんなことを思いながら風吹き抜ける心地良い畑を後にし、次の旅路へと向かう

 


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