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2019.06.20

造り手への旅路⑤チーズ本来の形を目指して山羊と共に生きる

函館市内から車で1時間ほど走らせると急に緑豊かな山々に囲まれる
七飯町(ななえちょう)は鎖国が終わって日本初の西洋酪農発祥地であり男爵芋がうまれた土地
そうだ、ここは雄大な大地だった
そう思える光景がひろがる

山を少し登り、車はここまでというところで停車
徒歩で少し登った先に山田農場さんはある

雰囲気のある建物はご夫妻で手作り

地下室も作り、ワインとチーズも貯蔵、販売 している

 

出迎えてくれた山田ご夫妻と人懐こいヤギたち

 

現在40頭ほどの山羊(アヒル、犬羊、猫などもいる)とともに農業をしながら自給自足の生活を営んでいる
ご自分たちが農民であることを根幹とし、
その上でチーズ作りが成り立っている日々
自給+αの畑→約5反
ぶどう畑→約5反(ワイン用600本を幼木含め植樹)
自前乾草用牧草畑→1町
それ以外の牧草畑→2町
動物とチーズの作業以外に、やっている畑ですとさらりと言うが、

それは それは多忙を極めること想像に難くない

 

そしてチーズ

「何も加えない」

山羊100パーセント
端的に言うとそう言うチーズだ

その土地に生えている草や身近な食べ物を食べ、その草の香りや酵母からくる香りが色濃くでるので季節毎に乳の味も異なってくる

一日2回搾乳、1日2回仕込み

卵と一緒で鮮度が落ちやすくデリケートな乳は

そのままの一番いい状態でつかう

だからミルキーな旨味だけが舌に残る

 

殺菌しないミルク・生乳でを使用し、土地由来の乳酸菌や酵母を使用
乳を冷やすことも温めることなく、絞った温度で製造していく
これは一見当たり前のようだが、日本では画一的に衛生観点のみで温度管理した製造方法が主流で、その土地の環境条件に合わせたもの=本来の味わいではなくなりつつある
できるだけエネルギーは使わず、手絞りしてバケツリレーで運ぶ
ポンプを使うことは乳へのダメージになるので使わないと決めた

殺菌をすることは悪いことではないが
殺菌するということは乳酸菌、酵母を添加しなくてはいけない
日本の漬物、お味噌も勝手に発酵するのになぜチーズはそうしないのか?
本来の作り方に立ち返ろう
そう考え、ご夫妻は独立をきっかけに実行に移した

 

 

毎朝、乳を絞った後に朝ごはんを食べ、少し休んだらお昼前
昼には畑仕事がありそちらに注力できるため、山羊は農家の為のチーズ作りにとても向いているとも

そして、フレッシュつくるのは晩に絞ったミルクがいいと
同じ山羊でも朝晩で乳の味が違う
だから分けて作る

因みに夜絞りは安眠ホルモンがでており飲むとよく寝れるそうだ

 

乾乳 (かんにゅう)期間 は三ヶ月ほど取り、
たとえ乳がまだ出たとしても絞りきらずに次の子のために残す

春に生まれた子ヤギたち

 

放牧の草だけだと良い乳が出ない為、大豆と玄米のくずを炊いてあげる
タンパク質は大事で取らないと乳の出が悪、子供小さくなる
発情・生理期くると乳が糞臭く(ホルモン臭く)なる

なんだか人間の授乳と子育てに通じるなあとしみじみ実感

 

 

今回試食させていただいたものはなんと、”桜餅”の香り
“秋はヘーゼルナッツなどのナッティさが出るんだよね”

現在作られているチーズは三種類
フレッシュ、ガロ、青
フレッシュは乳そのままの香りと味が楽しめる
ガロはフレッシュに塩分を足し熟成、こなれた感じで旨味が増す
青はさらにセラーで五週間ほど熟成し、菌達の働きによりより複雑な多重層的奥行きがでる

「ガロ」は古いアイヌ語で土地に岩がゴロゴロしている意

 

函館では最近、蝦夷梅雨と呼ばれる梅雨に似た現象が現れることがあり、季節の変化や草の移ろいが変わってきており、今年は
牧草、ぶどうともに二週ほど早まっているとのこと
ここでも気候の変化を耳にする

 

 

近年の研究により培養酵母や良質な乳酸菌が手に入りやすくなった中、その土地だから作れるもの無くして継続はない
子供たちにこのチーズ作りを伝えたい
地に根付いた造り手であることの心意気を感じさせていただきました

 

ヤギチーズとナチュラルワイン
山田牧場

there will be peace.
山羊と羊が黄金色の球体を飛び交うショップカードには山田さんたちの想いが詰まっている

 

 

 

 


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