with Wine | ワインショップ&ダイナー FUJIMARU 浅草橋店 スタッフブログ
2017.03.18
清澄白河フジマル醸造所より、シャルドネ発売です!
醸造部キミズです。
シャルドネ2種類が発売になります。
なんだか2016年は、個人的にシャルドネが印象的なヴィンテージになりました。
山梨のCity farm さんからシャルドネが届いたのはまだ8月の終わり。
大型の台風が本州を直撃する予報。
完熟を待ちたい、けれど、雨風にあたって弱ったぶどうが病気でやられてしまう可能性が高い。
まだ若く、実をつけはじめたばかりのシャルドネ、農家さんの判断は「台風の前に摘む」でした。
今年はこんな感じで悪いね、と、自らトラックで届けてくださったCity farmの山崎さん。
ひと粒つまむと….うん、酸っぱい❗
でも、ただ酸っぱいのではなくて、何というか、凝縮して厚みのある酸なのです。
若いなりに、フルーツの味わいも豊か。
あぁ、好きな味だ。大丈夫。
このぶどうの魅力をちゃんと引き出したい。
そんな思いで見守ってきました。出来上がってみると、もっとこうした方が良かったのかなぁなどと反省も多いのですが…
夏に訪れた白州の畑は、急斜面に気持ちいい風がさぁーっと吹きぬけていました。そんな風景を思い浮かべながら味わって頂けたら嬉しいです。
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それから約1ヶ月。今度は山形からぶどうが届きました。
収穫期、決してお天気に恵まれたとはいえない置賜。
でも、必死で木にしがみついていたのでしょう。農家さんたちの努力の甲斐あって、傷つきながらも、ぶどうたちはちゃんと甘く美味しくなって届きました。
レストランや浅草橋のスタッフの手も借り、丁寧に1日がかりで選果して、果汁を絞り、発酵へ。正常なアルコール発酵が始まるまでは、毎日ドキドキハラハラ…
NZ から仕込み来ていた佐藤夫妻にもずいぶん助けていただき、アドバイスを頂きました。
更に2日後にも、ぴかぴか完熟のシャルドネが届き、この年は合計4t半ほど仕込むことになったのでした。
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私たち清澄白河のワイナリーは、農家さんからぶどうを買って作っています。
だからこそ、できるだけその土地や、天候や、造り手さんの個性を薄めずにワインにしたい、と考えています。
お砂糖を入れればアルコール度数が上がり、ボリュームを出すことが可能です。酸が低くて不安定なら、酒石酸を入れれば理想の数値に持っていくことができます。発酵の前に亜硫酸を入れてクリーンな果汁にすれば、健全に発酵するかどうか、やきもきすることもないでしょう。
他にも、搾汁率を高める酵素とか、安定した発効を促す栄養剤とか、透明で輝くワインにするための清澄剤とか、ワイン造りには色々なテクニックがあります。
天候が悪かったり、状態のいいぶどうが取れなかったとき、美味しいワインを造るため、そういったテクニックを使うことを否定するつもりはありません。
でも、そうやって「作られた味」になってしまったら、せっかく東京で、各地からぶどうを集めてワインにしている意味がないような気がしているのです。
…というよりも、何かを添加することによって、間違いなく美味しいワインを造れるほどの技量が全然ないというのが正直なところではあります(笑)
よく、「自然派なんですね」と言われることがあるのですが、そんなふうに謳うつもりもありません。
(もちろん、そう感じて頂けるのは嬉しい気持ちもあります。もちろん美味しいことが前提ですが)
人の手でぶどうを育て、トラックで運び、ステンレスタンクで醸造している時点で、果たして胸を張って「自然」と言えるのか・・・
自然かどうか、よりも、安心して楽しめる、飲み心地のいいワインを造りたい。東京で造るからこそ、各々のぶどうの個性を活かしたい。
そんな気持ちで、みんなでワイン造りをしています。
まだまだ、ぶどうたちのポテンシャルを100%引き出せているとは到底思えないけれど…
農家さんと業者さんたちと、そしてお客様と。たくさんの皆さんに支えて頂きながら、もっともっと美味しいワインをお届けできるよう頑張ります。
是非ご感想もお聞かせくださいね~❗
※ワインのお求めは、清澄白河のワイナリーのほか、全国の酒販店様、フジマル各店舗、ネットショップをご利用頂けます。どうぞ宜しくお願い致します。
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