ラシーヌ主催「イタリアワイン勉強会 第3回ピエモンテ州」 | FUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユFUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユ

with Wine | 島之内フジマル醸造所

2013.11.29

ラシーヌ主催「イタリアワイン勉強会 第3回ピエモンテ州」

「この香りは品種の個性なのですか?それとも収量の低さから?」
「栗樽熟成の目的は、その材質の風味をワインに付与するものではなく、
適度な酸素接触という点において意味を持っています。」

深夜2時をまわってもなお繰り広げられる、ワインを囲んでの勉強会。
もちろん机の上でただ書物を読んだり、ワイン法に沿った知識を再確認
する、などという場ではありません。


目の前のワイン、そこにある液体に向き合い、自分のなかで消化し、
そのメッセージを読み取りながら言葉に置き換え、それを他者と共有する。
“感じた”ことをそのままに、ライブ感をもって伝えあうこと。
そしてなぜそう感じたのか、またなぜそう感じさせるのかを考えてみる。
イタリアはピエモンテ州のワイン11種類を題材に、
ラシーヌ様主催による大変興味深い勉強会が、
営業終了後のランピアさんで開催されました。



はじまりの合図は大樽熟成によるおおらかなドルチェット酒。
樹齢が高く密度感もあるマルカリーニと、穏やかながら
しっとりとしたエキスを感じさせる官能の媒体、カッペッラーノ。
ラ・モッラとセッラルンガの対比、ドルチェットに対する両家のスタンスの違い。

第二ラウンドはバルベーラ酒。溌剌とした酸が漲るカッペッラーノに、
唯一アスティ地区から参戦のトリンケーロは、良年のみに産出される
ヴィーニャ・デル・ノーチェ2006を。果実の凝縮度、絶妙のバランス感覚、
そして細く長くゆらめくような余韻。
「バルベーラはアスティ地区の方がいい。」
自信満々なエツィオ・トリンケーロのどや顔が思い浮かびます。

バローロは6種類。
まずはマルカリーニのブルナーテ2008と
プリンチピアーノのセッラルンガ2009。
どちらも明るく薄めの色合いながらエキスに富み、
柔らかい果実味としなやかなタンニンに支えられた、
伝統と革新のいいとこどり的なバローロ。

残り4つのワインは新聞紙にくるまれセミ・ブラインド方式で。
骨格があり、タンニンも強く若々しい印象のネッビオーロは
リヴェッラ・セラフィーノのバルバレスコ2007年。
分かって飲んでたらおそらく気づかなかったかもしれない、
エレガントさの奥にある芯の強さが印象的。

果実の凝縮した旨み、たっぷりとした余韻を感じたのは
プリンチピアーノのバローロ・ボスカレート2007年。
「カカオっぽいニュアンスもありますよね」という声もあり、
ピエモンテ以外のワインかも?と思わせる複雑さ、
懐の深さみたいなのが窺がえました。


そして本日のハイライトは最後の2本。
香りも味わいも余韻も、まったく異なるワインかと思いきや。。。
どちらもカッペッラーノによる2006年のバローロ。
一方は台木に接木したピエ・ルペストリス・ネビオリ、
そしてもう一方は接木していないピエ・フランコ・ミケでした。

なんとなく言葉のイメージから、先入観として抱いていたのは
ルペストリス・ネビオリ≒男性的、かっちりとした強さ
フランコ・ミケ≒女性的、柔らかく繊細
というものでした。

しかし2006年という若さゆえか、ルペストリス・ネビオリは
すでに開き始めたような印象があり、各要素もほどよく現れていて
今飲んでおいしい、そう思えるワインでした。

一方のフランコ・ミケはさほど愛想はないものの、内に秘めるパワーというか、
シリアスな要素がたくさん詰まったような印象。もう少し時間がたてば
一気に花開くのかも、、そう思わせるポテンシャルを感じさせてくれました。

ワインの味わい = 品質 × コンディション

品質とは各生産者の哲学・知恵・技術と努力がワインとして結晶したもの。
それを現地そのままのコンディションで飲めたときにはじめて、
生産者の想いに触れられるのかもしれません。

偉大なワインを生み出すピエモンテ州。
テロワールの違い、ヴィンテージの違い、そして各生産者の技量、力量、腕前。
言い換えるならばセンスとでもいえるでしょうか。

まだまだ奥深く可能性に満ちたピエモンテワイン界。
その潮流の一端に触れることができ、また考えるきっかけを
与えてくれた、貴重な勉強会でした。

第4回目はフリウリ州について、2014年1月に大阪市内のレストランで
開催予定です(すいませんが業務店様対象となります)。
※一般の方向けのワインセミナーは、何かできればと企画中です。
お楽しみに!

ご興味のある方はワインショップFUJIMARUまで、
お気軽にお問合せください。 06-6643-2330

Dai Aramaki

 


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