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2019.07.29

造り手への旅路 (15) 一滴の油で、こぼれる笑みを

すごい油があるんですよ!
ぜひご紹介したいんです

そう言って丹波に住むパン職人 ヒヨリブロート 塚本久美さんの一言で今回の旅が始まった

岡山県英田郡西栗倉林村にて油に向き合う人が居る

紹介してくれた塚本さんは「油姫」と呼んでいた

どんな人か妄想しながら特別出店されている場所へと向かう

蔦木由佳さん
油に恋をし、森の村へ
大学在籍中にインターシップでこの小さな過疎の村へ訪れ、師匠に出会い、油屋になることを決意
そのまま移住した31歳 新進気鋭の職人である

 

 

 

植物が次世代へ命を繋ぐために蓄えたそのひとしずく
「ablabo.」アブラボ さんの油は植物の命を頂く覚悟の上で絞られている

西栗倉林(にしあわくらそん)は岡山県の再北東部
人よりも樹木が多い土地で、理想の油を追及する

 

つくる油も元は植物
だから毎年種子の出来も違うし味わいも変わってくる
焙煎を変え、圧搾の仕方を工夫する
言うのは簡単だがそこは自然相手

今年のは難しかったそうで
生臭み土っけが強め
普段はアミノ酸ぽい旨味を感じるが
焙煎温度を上げて旨味を担保したそう

試行錯誤を繰り返し、おいしい一滴を目指す

「油は調味料です」

 

 

そう言い切る蔦木さん

確かにここの油は違う
いや、むしろ今までの概念が吹っ飛んだ

 

眼を見張るような鮮烈な香り、そして広がるその植物由来の味わい深さ
くどさはなく、心地よい余韻だけが残る
本当にほっこりと笑顔に、そして俄然料理が作りたくなる
素材を持ち上げる底力たるや、、!

 

 

出荷の度に絞るのでアブラボ さんは常に”しぼりたて”
香りや栄養分をできる限り保つ為に労力を惜しまず、最大限に活かすと聞き益々納得のクオリティだと思った

 

そして、おいしい油を作るために種から見守る
種子農家の減少や農薬使用の是非、食用油の価格是正など「油」を取り巻く諸問題
これらに一つずつ向き合ってきた

「儲けられたとしても私に不味い油は作れない。結局はおいしいを大事にしたい。
おいしいには材料の安心・安全も含まれている。」
「だから種子から見守り、納得のいく種子を手にする為に農家さんに依頼し、農家さんと話せるようになるために猛勉強もする。」

 

おいしい油をしぼりたい
みんなにおいしい油がある豊かさを伝えたい

「種は保存がきくので一年中絞れるが、今後は油で旬を表現できたらいいな」と大林さん

油姫は今日も油に惚れている

 

 


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