philosophyフィロソフィー


初めに

ワインのことが知りたい!
そう思ってレストランを辞め、海外に飛び出してから数年が経ちました。
今ほど情報がなかった当時、どれだけワインを飲んでも、本を読んでも、ワインのことが理解できなかった。
そして、私の疑問に答えてくれるのは実際にワインを造っている人達しかいないと思い立ち、ヨーロッパを皮切りにオセアニアまで放浪の旅にでました。しかし、第一線の生産者たちを訪問し様々な疑問をぶつけてみても、私は納得することができなかった。そして、多くの生産者がこう言いました。「ワインを理解することなんて神以外できない」そして、「だから面白い」「だから人生を懸けるんだ」と。素晴らしいワインを造る生産者であればあるほど、そんな謙虚な答えが返ってくるのでした。それでも納得できない私は、造る側の立場にまでなってみましたが、結果は同じでした。
いったい私は何を求めているのか?造っている人ですら理解できないようなものを追い求めることに何か意味があるのか?一年に一度しか造れないワイン、一生かけて追い求めても果たして間に合うのだろうか?いまだに自問自答の日々が続いています。ただひとつだけ理解したのは、ワインと「戦う」のではなく、ワインに「寄り添う」ことが出来る人の方が幸せになれるということでした。

パリのとあるワインショップでの夕方の光景。
買い物かごにバケットを差したおばちゃんが、いつものことのように珠玉のワインを買っていく。
私を見て「これ美味しいのよ」と。知ってる、なぜならそれは私の一番好きな造り手だったから。
ふと、レジに目をやるとソムリエらしき若い兄ちゃんがお店のスタッフとワイン談義をしている。
もちろん手には白ワインがたっぷり入ったグラスだ。とてもテイスティングの量じゃない。
セラーの奥の方で少し古いヴィンテージを見ているお金持ちそうな恰幅の良いおじさんがなんかブツブツ言っている。
カートいっぱいにワインを詰めている。どうみても買い過ぎだろう。
入口からワインの納品に来たらしい作業着を着たボサボサ頭の兄ちゃんが入ってきた。手にはワインが入っているだろうダンボール箱を持っている。
「やぁ、ティエリー!」とお店のスタッフ。ダンボール箱には同じ名前が入っている。そう、自ら納品に来たのだ。
いつしかお店にいる全員がグラスを持っている。生産者だろうとソムリエだろうと一般のお客さんだろうと観光客だろうとそこでは関係ない。
あなたはどこから来たの?そう、ワインの勉強に?じゃあ今度うちにおいで。。。

ここはみんなの楔なんだ。人と人、人とワインを繋ぐみんなの楔なんだ。このワインショップがここにあるから、みんなが繋がり、輪が広がっていく。
この時、私の中で何かが動き出したのを感じました。


街のワインショップとして

世の中にまずいワインはない。私たちは本気でそう思っています。あるのは趣向の違い。どんな素晴らしい味わいであっても、どんな高価なワインであろうと、飲み手の好みでなければ、その価値はありません。しかし、これほどまでに沢山のワインが世界中から輸入され、情報が氾濫している日本のマーケットにおいて、自分の好みの一本を見つけだすことは知識・経験のない方にとってなかなか難しい。毎年の作柄や時間の経過によって味わいが変化することも、ワインを分かりにくくしている原因でしょう。そこで必要なのが、ソムリエやワインアドバイザーといったプロフェッショナルです。星の数ほどあるワインと千差万別な人の趣向とをマッチングさせる仕事こそ私たちの使命だと感じ、大阪の食の台所、黒門市場近くにワインショップFUJIMARUをオープンさせました。対面販売にこだわり、ソムリエ経験者がお客様の好みを伺いながら1本1本販売する。書いてみれば1行ですが、実行するのは本当に大変でした。

オープン以来、様々なご縁からレストランの方々にも可愛いがっていただき、私の考えに賛同してくれる仲間も増えました。たった一人で創業したので、仲間と働ける楽しさ、感情を分かち合える喜びはひとしおでした。
ただ、幸せを感じる一方で、強い疑問を抱くようになりました。私は、ワインを「伝える」ことができているのか?「お客様の為に」という意識が強くなりすぎて、自分の考えを消してしまってはないか? FUJIMARUがFUJIMARUである理由、アイデンティティが薄まってしまっているような、そんな危機感を持つようになりました。

そんなときに出会ったのがビストロ・ア・ヴァン・DAIGAKUのオーナー関本氏でした。彼も「伝えたい」という気持ちが非常に強く、意気投合するのにさほど時間はかかりませんでした。そして、2009年3月、彼の「フランス愛」と私の「ワイン愛」が合体し生まれたのが、ワインショップ Cave des Papilles(カーヴ・デ・パピーユ)とビストロ Le Noeud papillon(ル・ヌー・パピヨン)でした。フランスのビストロ文化、ワイン文化を具現化するため、オープンさせることになったのです。


ワインの仕入れ・管理

会社名のパピーユとはフランス語で「味蕾」、舌の味覚細胞のことです。自分たちでテイスティングをし、自分たちの味覚を信じてワインをセレクトする。これを基本として日々お客様に喜んでいただけるよう努力しています。カーヴィストとしてはまだまだ半人前ですが、お客様に鍛えられ、良い審美眼を養っていけたらと思っています。

・70社を超える輸入会社さんのリストから自分達の味覚・経験を使ってセレクトしたもの。
・同じパッションを持った酒屋さんと共同輸入をしたもの。
・私たちが現地で探した生産者を、輸入会社さんに輸入代行してもらったもの。
*一部ですが当店でしか販売していないオリジナルワインもございます。


当店では・・・

各ショップのセラー以外にも12度に保たれた自社定温セラーがございます。
自社配送エリアでは、保冷車にて当店スタッフが配送いたします。
夏場の炎天下では、保冷剤とプチプチで包装しワインをお持ち帰りいただけます。(無料)
など、管理には最大限の努力をしています。

ワインは生鮮食品と同じく、温度管理が必要です。
流通のどこかで一度でも温度管理が行われなかったワインはその輝きを取り戻すことは2度とありません。